【33回目】防虫対策<6>陽圧構造で空気を外に流す

気圧差の設定と調整
陽圧構造についてはISO/TS22002-1の「6.4空気の質及び換気」で「原材料区域から洗浄区域に流れたりしないように(中略)特定の空気圧差は維持」、「10.2微生物学的交差汚染」で「e)空気差圧」と要求されている。これに対応するしないにかかわらず、陽圧構造にすることで虫の侵入を防ぐことができる。出入り口のドアを開けたとき、内部から外に向かって空気が流れれば(風が吹けば)、虫だけでなく汚染物質が侵入しにくくなる。逆に内部が陰圧なら虫を吸い込むことになってしまう。
工場内では、清潔ゾーンから汚染ゾーンに向かって空気を流すのが基本となる。次のように設定すれば、工場内の空気が外に流れ出ることになり(陽圧になり)、外から虫やその他の汚染物質が侵入しにくくなる(図)。

・清潔ゾーン[+++]→工場内で最も清浄にする清潔ゾーンに入れる空調を一番強くする(写真1)
・準清潔ゾーン[++]→清潔ゾーンの空気が準清潔ゾーンに流れる(写真2)
・汚染ゾーン[+]
・外気圧[+-]
それぞれの間の気圧差は10~20hPa程度がよいようだ。あまり気圧差があり過ぎると、スイングドアがわずかに開いた状態になってしまう。スライドドアなら気圧差による微開放の問題は起こらない。
また、工場を最初から設計・施工するなら、気圧差を考慮すればよい。特別多額な費用がかかることはない。既存の工場の場合や、増設や改修を行ってきていると、気圧差が考慮されていないことがほとんどなので、気圧差を調整できるかどうか調査が必要になる。工場が陰圧になっていることも多いが、設備(空調パワー)の調整で改善できることもあるので調査してみよう。このとき、既存の空調設備で対応できる場合とできない場合がある。不可能な場合は、逆流になる境目にビニールカーテンを設置するなどの対応をする。
ダクトとダンパー
作業室にダクトがある場合、ダクトを動かすと空気を外に出すことになるわけなので、その部屋の気圧が下がり、気流の向きが反対になる。これに対応するにはダンパーを設置する。ダンパーは気圧の違う部屋の間に設置するもので、気圧が変わると空調のパワーを自動的にコントロールする。ダクトを動かすとダンパーが反応して、その作業室に入れる風量を多くして、気流の逆流を防ぐ。
排出する空気の質と対応
工場内から排出される空気に食品のにおいが含まれていると、工場が住宅地にある場合、苦情の原因になることもある。また、そのにおいで誘虫してしまうことになれば、せっかく陽圧構造にしても逆効果になってしまう。このような場合、においを外に出さないようフィルターを通して空気を排出することが必要だ。

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