【37回目】手洗いの盲点

手袋をするのになぜ手洗いを?
認識不足で管理者側が気付かない重要なことがある。手袋をするのになぜ手洗いをするのか、という認識だ。
ある惣菜工場が大口の納入をしている流通組織で定期的な抜き取り検査を行ったところ、今までは全く問題なかったのに、突然異常に多い一般生菌が検出された。調査は難航したが、従事者へのヒアリング調査に入ったところ、「最近入ったあの人は手洗いをしない」という声が出てきた。そこで本人を呼んで話を聴いたところ、「手袋をするのになぜ手洗いをするのですか?」という質問が逆に返ってきた。
そのため、「箱から手袋を取り出すときに、手袋の表面をつまみながら取り出すでしょう。そして表面を触りながら手袋を付けるので、手袋をつけ終わったときには手袋の表面が汚染されているのです。汚い手で手袋を触ったら、手袋の表面はかなり汚くなっているのですよ」と教えたら、「なるほど」と理解した(写真1)。
そこで今度は、「もしかしたら同じように考えている人が他にもいるのではないか」とアンケートを取ってみたところ、2割ほどの従事者が同じ考えだった。この認識だと手洗いがおろそかになっていても不思議はない。
筆者はこの話を聞いた後、人手による製造を行なっているいくつかの工場で同じ調査をしてみた。すると、およそ2割の人が、「手袋をするのになぜ手洗いをしなければならないのか」と考えていたのだ。このことを全従事者に教えることで、手洗いの徹底は飛躍的に進むことだろう。

手洗いはエアシャワーの後に手袋を付けてから
入場の手順として、粘着ローラーを掛けた後に手洗いをし、その後エアシャワーを通る工場が多い。しかしこれはおかしなことで、エアシャワー内はほこりが舞うわけだから、その後に手洗いをする方がよい(写真2)。つまり、粘着ローラー、エアシャワー、手洗いの順になり、その後アルコール消毒をする(写真3)。
しかしアルコールはノロウイルスに効かないため、アルコール消毒後も手にノロウイルスが付着している可能性がある。その後に手袋を付けると、前述のように手袋表面にノロが付着してしまう。それならノロに効く塩素系で手を消毒したいところだが、それでは手荒れの原因を作り、今度は黄色ブドウ球菌の問題になってしまう。そこで、手袋を付けた後に手洗いをするという対策が必要になる。
手袋を付けた後、ノロウイルス対応の消毒剤で手洗いをするか、水道水で10秒ほど流す。手袋の表面は滑らかなので、ノロウイルスは流れ落ちることになる(写真4)。手袋をした後、直接食材に触る作業に入る人は、必ずこれを行わなければならない。

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