【40回目】スキャナーとメールフォームを使った記録の維持管理法

スキャナーでPDFにする
記録の保管期間は一般的に1年間だが、賞味期限が長い食品、例えば3年のものならプラス1年の4年といった保管が必要になる。また、米国に輸出している場合は、米国食品安全強化法の関係から2年間の保管が必要だ。
多くのアイテムを製造している工場や大型工場では、保管する記録はかなりの量になるので、紙ベースだと大変だ。探し出すのも手間取る。そこで、現場から上がってきた紙の記録は、脂などで汚れていなければ、スキャナーに通してPDFファイルにして、パソコン内のフォルダに入れ、検索しやすい名前を付けたらまとめてCDに焼き付ける(写真1)。

PDF化してCDにする場合、スキャンしたままだと1枚300kB程度、PCR(光学式文字読み取り装置)で「検索できるように保管」するとキーワード検索ができるようになるが、これだと1MB程度だ。検索保管をしても20円ほどの1枚のCDに記録用紙700枚分が入る。PDFになっているから書き換えはできない。
これでもう紙は不要になるから廃棄する。とはいっても不安な場合、空の段ボール箱(コピー用紙が入っていた箱など)を二つ用意し、スキャンし終わった紙の記録を入れておく。最初の箱がいっぱいになったらもう一つの箱に入れていく。そして、二つ目の箱もいっぱいになったら、最初(古い方)の箱に入っていた紙を、そのまま全て廃棄して、そこに次にスキャンした紙を入れていく。これを続けていけば、箱が二つ以上になることはなく、何となく心配でも念のため取っておくことができるので安心だ。
やってみると、古い方の箱に入っている紙を探すことはない。PDFから探す方が簡単で早いからだ。
これは記録だけでなく、紙ベースで出てくる資料、外部データ、解説書、案内、カタログなど、全てに使える。これを1年ほどやっていると、二つの箱も要らなくなり、スキャンしたらすぐに紙を廃棄できるようになる。
メールフォームを使う
ホームページから問い合わせなどをするとき、アドレスや問い合わせ内容を入力するページが出てくるが、これはメールフォームといって、クラウド型メールフォームサービスを使用すれば自由に簡単に作成できる。
例えばCCPの中心温度を記録するメールフォームを作成すれば、測定者の名前と測定した製品を選択し、温度を入力して「送信」ボタンを押すと、パソコンにエクセルファイルで保存される(写真2)。現場に専用タブレットを置いてもいいし、スマートフォンを使ってもいい。フォームのいくつかのパターンと、自動作成されるエクセルシートの例を図に示した。自動的に記録できるし、傾向をみるためのグラフ化も簡単だ。
費用の例だが、「Google Apps for Work」を使うと、アドレス一つでいくらでもメールフォームを作ることができて、年間6000円で済む。

お電話でのお問い合わせはこちらから

06-6657-5365

受付時間:平日9:00〜18:00
(土、日、祝日は休業)