【41回目】自動、ペーパーレスの記録

温湿度の自動記録
冷蔵庫と冷凍庫の温度が集中管理されていない工場では、記録用紙に手書きで記録しているところも多い。製造室についても、温度管理だけでなく、カビや最近の増殖や虫の発生の抑制に重要な湿度を手書きで記録している工場が多い。
温湿度の監視は忙しい管理者が行っていることが多いが、空調の不調などによって作業中の温度変化は作業者の方がいち早く体で感じて気付くものだ。とはいっても、作業履歴のために記録は必要となる。また、湿度は作業中に上がる工場が多いが、肝心なのは作業終了後から翌朝までを低湿に保つことだ。しかし、夜間に従事者はいない。そこで、温湿度を自動で監視・記録するとよい。
タイムマシーン(株)の「ACALATHERMO(アカラサーモ)」は、LTE(高速携帯電話通信網)を利用したクラウド管理の温湿度監視記録システムだ。たばこのパック程度の大きさのセンサーを測定場所の壁などに両面テープで貼り付けておけば、その場所の温湿度をLTE回線で指定したアドレスに送信し、どこにいても画像とグラフで見ることができ、データはそのまま記録される。センサーは何箇所でも設置でき、中心温度や非接触の表面温度測定用もある。移動体に積み込んで、リアルタイムのデータ送信もできる。測定装置は電池で動き、5年程度で交換になる。システムはセンサー数に応じたリース料支払いとなり、小規模から大規模まで対応可能となっている(写真1・2)。
また、(株)ティアンドデイの「ease(イーズ)」は、小型の温湿度測定端末(これもバッテリー式)を測定場所に置いておくと、無線でパソコンに送信・記録する。送信距離が無線到達距離より遠い場合、中継器もある。16台まとめてパソコンで管理することが可能で、小規模工場向けとなっている(写真3)。
また同社の「食品用中心温度データロガーRTR-601シリーズ」は、中心温度を測定したら温度計のボタンを押すだけでパソコンに送信・記録することができる。
多様化・低価格化の流れ
ソニー(株)の「デジタルペーパー」は、既に工場で使用している記録用紙をPDFにすれば、A4大のペーパークリップ型端末にそのまま取り込めて、専用のペンで手書きで書き込め、記録保存することができる。まだ多少高価だが、使用中の記録用紙をそのまま使えるので便利だ(写真4)。
ほかにも、(株)アルビーの「従業員自己申告システム」<http://www.arvi.co.jp/download/flyer.pdf>は、サニタリールームでの健康申告をタブレットを使って行うもので、大人数の工場入場時の混雑をなくすことができる(写真5)。
こういった自動記録システムは従来、高価なものが多かったが、最近は低価格のものが登場しつつあり、中小工場でも手軽に導入できるようになってきている。

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