【42回目】手直し品の扱い

食品加工品の手直しの例
手直しについて、食肉加工品であるウインナーソーセージを例に見てみよう。
ソーセージの製造は、腸詰め後にスモークし、冷却後に切り離してからパックする。このパックのときに、スモークときに重なったり絡まったりしていてスモークの色が付いていない部分があるものや、極端に曲がっているものが見つかる。これを二級品として社内販売したり、凍結して定期的に特売したりしている企業は多い。
しかし、これをサイレントカッターの工程に戻して、製品に入れ込んでしまう工場もある。この方法は、その日、あるいはせいぜい翌日に行う分にはいいが、それより時間がたってしまってからでは問題になる。また、サイレントカッターで1回にカッティングする量に対して、入れる量の限界を決めておく必要がある。入れ過ぎては品質に問題が出るからだ。これが要求事項にある「許容できる量、タイプ及び手直し品使用の条件は特定されなければならない」になる。
フローチャートと危害分析
HACCPで安全を構築するには、まずはフローチャートに組み込む必要がある。一般的なウインナーソーセージの製造工程は図のようになるが、この中で手直しが出るのは、工程19の「小分け」の箇所になる(写真1)。その後、これをサイレントカッターの工程14「細切り・混合」に戻す(写真2)。このときに、規格要求の「工程のステップ及び追加方法は、あらゆる必要な前処理加工段階を含めて、明確に・・・」ということになる。
この例で、手直しのために戻す条件としては、例えば以下のようになる。
①その日中に手直しする。最終ロットで出た場合には、翌日の最初のカッティングに入れること。
②1回のサイレントカッターに入れる量は〇〇g以下。
③戻すためのルートは〇〇(ゾーニングをまたいで戻すことになるので、窓口から手渡すなど、交差汚染にならないようにする)。

量目不足や包装不良時の対処
量目不足やパッケージの不良によりはじかれた製品を直す場合、包材を外したときの破片や、再パックするまでの間の異物混入に注意しなければならない。これが要求事項では「充填された、又はラップされた包装から製品を取り出すことを含む場合は、包装資材の除去及び隔離を確実にし、及び異物による製品の汚染を防止するように管理しなければならない」となる。

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