【48回目】HACCP義務化<1>多様な規格基準と選択制

多種のHACCP認証
HACCPの義務化に向け、内容の検討が2016年末まで行われる。具体的な内容の発表が待たれる。またHACCP選択制も始まり自治体の約9割は対応しているが、いまだ一部の自治体が対応しておらず、対応していても工場側の質問に明確に答えられない自治体もある。
これらの新しい動きに対し、以前から多くの自治体HACCPが定められていて、16年半ばで全国30ヶ所以上になる。また、国際対応のISO22000とFSSC22000の認証も活発に取得されている。これらの規格の違いも分かりにくい。
出荷先から安全対応を求められているが、どうすればHACCPを実施しているといえるのか、どの検証を取得すればよいのか、費用はどの程度かかるのか。「多くの規格や情報が入り混じり、ややこしくて分からない」というのが、多くの食品工場側の状況だ。先日もある食品工場にクリニックに行ったらこの問題に苦慮していたので、解説したところだ。
認証の段階
基準や規格の解説は誌面1回では済まないので、先にその認証の種類とレベル(国内レベルか、国際的に認められるレベルか)をまとめた表を示す。表中の「基準、規格」は、現在対応や認証が可能な主なものを挙げた。総合衛生管理製造過程は「その役割を終えるため廃止」の方向で検討されているとの報道もあるので、入れていない。HACCP手法支援法の高度化認定は2023年までの時限立法である。FSSC22000はISO22000に技術しようのISO/TS22002-1を加えたもので、ハード面の要求事項が入っている。

従来型基準とHACCP導入型基準
「従来型基準」は食品衛生法に基づく衛生管理の基準で、全ての食品工場はこれを満たすことで営業許可を得ているが、昔からある基準であり、当然HACCPの管理は含まれていない。しかしながら、日本以外の主要国だけでなく多くの国でHACCPが義務化されている国際的背景の中、大幅に遅れている日本でHACCPノ標準化に持っていく必要があるために出てきたのが、従来型にHACCPを取り入れた基準だ。次回以降に述べるが、HACCPの義務化は最初のステップで対応の食品が絞られると推察されるが、HACCP導入型基準は全食品だ。その違いは図の通りである。

従来型基準は、大きく分ければ、「一般的衛生管理(工場内をきれいにして安全な製造環境にする)」と「その環境で製造した製品そのものの安全性」になる。このうち、製品そのものの安全性を確保するにはHACCPが必要となるので、従来型の製品の安全確保項目をHACCPの12手順7原則に対応させたのが「HACCP導入基準」だ。従来型ではHACCPの導入を広報できないが、HACCP導入型基準では広報できる。
では、どうしたらHACCP導入型基準に対応できるのか、次回解説する。

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