【69回目】手順書の作り方<2>

動画の手順書
昨今、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)では動画が花盛りで、手軽に動画を作って投稿する人が増えている。工場では、清掃・洗浄などの手順を動画にすると、そのまま教育訓練にも使えて便利である。
まずは、最も効率よく効果的な清掃・洗浄手順を組み、それができる人に実際にやってもらい、それを動画に撮影する。このとき同時にコメントを入れてもよいが、装置などの雑音が多い場合は後でコメントを吹き込んだり、キャプションを入れたりする。また、長い部分や不要な部分は動画加工アプリ(いろいろな種類がある)でトリミングする。これで完成だ。
工場内にはこのような動画の作成が好きな人が探すといるものだから、その人にやってもらう。好きなので喜んでやってくれる。
パワーポイントを使う
手順のポイントを写真撮影し、それをエクセルのシートに貼り付けて並べ、コメントを入れて手順書を作成している工場も多い。しかし、写真を縮小したり、1枚の用紙に収まるように並べたりと、編集には結構手間がかかる。
そこで、パワーポイントを使う方法がある。スライド1枚に写真1枚を貼り付け、写真の下に大きな文字(36〜40ポイントほど)でコメントを入れる。このように写真枚数のスライドを作り、印刷時に「レイアウト→ページ数/枚」で4〜16の中から選び、レイアウト方法ととじ方(短辺とじ・長辺とじ)を選んで出力すればよい。ペーパーレスの手順書ならPDFで保存する。

修正は簡単
手順は時々変わる。洗剤が変われば希釈率や洗浄道具(ブラシや泡洗浄機)も変わるかもしれない。
動画の手順書の場合、編集アプリがあれば、変わったところだけ撮り直して簡単に変更できる。パワーポイントでも、変わった部分の写真だけ撮って、そのスライドだけ入れ替えればよい。
手順の検証
清掃・洗浄手順を例に述べてきたが、手順書はその手順で作業を行って目的とする清浄状態になるかが重要だ。そのため、手順が一通り決まったら、その手順で作業する力量のある人、できれば複数人に清掃・洗浄してもらった後、拭き取り検査をする。複数の結果を見て、問題があれば手順を改善する。
洗浄箇所がOPRPであったり、食材が直接接触する場合、運用で拭き取り検査の頻度を高くする。そうでない場所なら、拭き取り検査は時々でよい。すでに手順通りにやればよいことが検証されているからだ。
温度など、重要だが単純な手順や規定は、短いコメントを大きく表示すると分かりやすい。表示には対応策も入れておくとよい(写真3・4)。

お電話でのお問い合わせはこちらから

06-6657-5365

受付時間:平日9:00〜18:00
(土、日、祝日は休業)