【5回目】温度計の校正と精度確認

温度計の校正、精度確認の方法
ISO22000の「8.3 モニタリング及び測定の管理」には、「モニタリング及び測定の方法と機器が、モニタリング及び測定手順のパフォーマンスを確実にするため(中略)a)定められた間隔または使用前に、国際または国家計量標準にトレース可能な計量標準に照らして、校正または検証すること。そのような標準が存在しない場合には、校正または検証に用いた基準を記録すること」とある。
また、厚生労働省の「対米輸出水産食品の取扱い」の「一般的衛生管理基準」の「5 設備及び機械器具(6)工程管理モニタリング装置」には、「温度、pH、酸度、水分活性、その他食品中の有害微生物の発育ぼうしに関与する因子を測定し、管理し、記録し、又は調整する装置は、正確で、かつ適切に保守点検(校正を含む)されていること」とある。
温度計の校正、精度確認は、どこまで行えばいいのか苦慮している工場が多い。標準温度計を用意したとしても「どうすればよいのか」となる場合が多い。また費用の問題もある。
温度計の校正、精度確認には4つほどの方法がある。高精度の順に解説する。
①標準温度計を使う
これが最も高精度だが、費用も掛かる。正しく校正された温度計(標準温度計)を使って、その温度計と工場内の全ての温度計を比較する。標準温度計はメーカーに出して校正をしてもらい、その証明書を発行してもらう。校正に使える期間は一般的に1年間が多い。
校正をメーカーに頼むと数万円掛かるところが多く、これは新品購入費の数倍になることもある。しかし大規模工場や、生産個数が多く、加熱殺菌の温度が狂うと大事故になる可能性がある場合などは、費用が掛かっても慎重にする必要がある。ISOの審査でも、大規模の場合はこの方法が要求される(写真1)。
②毎年新品を1本購入する
新品の温度計は当然校正されている。保証期間も一般的には1年間なので、1年は標準温度計として使える。工場内でかなりの数の温度計を使っている場合、古い温度計は誤差が大きくなったり故障も出てくる。修理すると新品以上になることも多い。それなら、新品を1本購入してそれを標準温度計として1年間使い、その翌年又新しく購入した方がよい。メーカーへ校正を毎年出すより格段に費用を抑えることができる。
③熱湯又は氷水を使う
熱湯は100℃、氷を入れた水は0℃なので、どちらかまたは両方を計測することで確認する。加熱殺菌用の温度計なら熱湯、冷蔵や急速冷却確認に使うなら氷水というように、普段使う温度帯に近い方で確認するとよい。
④複数の温度計を比較する
工場内で使っている3本の温度計が正確か確かめるために、集めてスイッチを入れたら、1本が狂っていた。4℃も違う温度計を長期間使っていたわけだ(写真2)。このように、工場内の温度計を毎月1回集め、一斉にスイッチを入れて確かめる。こんな簡単な方法で精度確認ができる。
他にも、装置に固定されている温度計、例えばスモーカーやオープンに内臓されている温度計は、精度確認された携帯温度計を使って比較するか、装置によってはメンテナンスや点検時に行うものもある(写真3)

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