【17回目】従事者不信にならないフードディフェンスの構築

フィードディフェンスにつながる一般的衛生管理とHACCPの取り組み
知識と技術が必要な爆発物などを使ったテロと違い、製造中の食品への毒物混入は、ちょっとした隙があれば簡単にできてしまう。そこでフードディフェンスの構築が必要になるが、日本の工場は一つのコミュニティー的なところがあり、和気あいあいとやっている。そんなところに従事者不信を丸出しにした欧米的な監視やチェックを始めたら、一気にコミュニティーが乱れてしまう。これが悩ましいところだ。
フードディフェンスとフードセーフティーの違いはの通りである。フードディフェンスのガイドラインについては、ISO22000にはないが、その技術仕様書であるISO/TS22002-1に「18 食品防御、バイオビジランス及びバイオテロリズム」が入っている。従って、FSSC22000にはフードディフェンスが組み込まれている。

また、衛生安全管理の基本となる一般的衛生管理とHACCPにはフードディフェンスの考え方が含まれないが、これらの構築と実施を拡充することにより、フードディフェンスにも取り組むことができる。そして、これは従事者不信にならないフードディフェンスにもつながる。以下に対策例を示す。
・力量制によるアクセス管理
作業の安全を保ち、効率よく製造するには、製造工程ごとに能力・力量により従事者を配置する必要がある。最も単純な力量は2段階で、例えば、
○:その仕事ができ、さらにコントロール・指示もできる人
△:指示されれば一人で仕事ができる(自分で指示はできない)
となる。この力量登録を各作業に設定し、力量のある人しかその作業室に入れないよう、作業衣に付けた名札やICカードやチップで制限すれば、関係のない人は入ることができない(図)。
・作業者の記録とロットの絞り込み
衛生安全管理には記録が伴う。作業内容には時間と担当者が記録されるので、製造した製品ロットも関連することになり、これそのものがフードディフェンスになる。そして、力量と作業の記録を連動させれば、フードディフェンスがさらに強力になる。
・作業衣と私服の交差を防ぐ
作業衣はポケットのないものを使用するとよいが、作業衣と私服との交差があると異物が作業衣に付着して製造現場に入ってしまう。これを防ぐ一つの方法は、ロッカーに私服を入れてから扉を閉め、下着状態で少し離れた所に置いてある作業衣を装着する。このことはそのまま危険物を工場内に持ち込むことを(かなり)なくすことができる。
このように現在流行っている一般的衛生管理とHACCPを利用しても、従事者不信にならないフードディフェンスが構築できる。

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