【25回目】泡(発泡)洗浄
泡洗浄機は規模と目的により選択
人が風呂に入ればせっけんとシャンプーを使うのに、日本では大量の食材を扱う食品工場で洗剤を使った泡洗浄があまり行われていないことにいつも驚く。家庭の台所では洗剤を使って食器を泡洗浄するが、食品工場でも同じで、器具や作業環境を泡洗浄すべきだ。目にも見えない汚れがきれいに落ちる。
泡洗浄機には小型、中型、大型と3タイプあり、工場の規模と目的に応じて選ぶとよい。
小型は片手で操作できるハンディータイプで、水道の水圧を使うものと、コンプレッサーの圧縮空気を使うタイプがある。水圧タイプは水道があれば良いので簡単だが、泡の質が良くない。泡が大き過ぎるのだ。コンプレッサータイプは微細で良質な泡が出るので、器具の隅々まで泡が行き渡り、洗浄効果が高い。小型はもちろん小さな工場向けだが、大規模工場でも、機械の隅々まで泡をかける必要がある機器装置に使用できる。
中型、大型は、工場の規模と洗浄目的に合わせて選べばよい。中型は、圧縮空気タンクが付いているものだと、コンプレッサーチューブ不要でどこでも移動できるので便利だ(長時間連続運転はできないが)。また、大きな工場内を壁から天井まで徹底的に洗浄するなら、大型タイプだと泡が8mほど飛ぶので効率が良い。
効率・効果・安全性アップ
泡洗浄を「製造機器と壁の腰位置から下、床を毎日」「壁の天井までは毎週」と言うように頻度を決めて行うと、多くの場所はブラシを使わなくてもきれいになる。ブラシを使わないで良い場所が多ければ洗浄が簡単になり、人員や時間も少なくて済む。また、製造機器や工場も傷まない。
ある工場で泡洗浄を導入したところ、10人で2時間かかっていた洗浄作業を、3人で50分にすることができた。洗浄効果と安全性のアップ、そしてコストダウンを同時に達成できたことになる。


洗剤の選定
泡洗浄用の洗剤は、使用中のものをそのまましようすることもできるが、泡洗浄をこれから始めるなら、メーカーや販売店の専門家と相談し、工場の汚れに合わせた洗剤を選択するとよい。なぜなら、例えば食肉の汚れと野菜の汚れは全く違うものだからだ。
また、塩素系の洗剤は殺菌も一緒にできるが、金属など対象物質の酸化が早くなる。もちろん天然系の洗剤も使用できる。
デモ機を借りて効果を確認
泡洗浄を始めるに当たり、作業室が雑然としていて不要なものが置いてあると、泡をかけることができない。そこで、整理整頓して泡洗浄ができるようにする。これだけで第一歩の成功だ。そして、デモ機を借りて試してみる。まずは小型タイプを借りて、機器、道具、コンテナ、床などを洗浄してみよう。
ある工場では、数年間なかなか泡洗浄に踏み切れなかった。信じられないことに、昔の製造機器では洗えない構造のものが結構あり、導入をためらっていたのだ。しかし「洗える所だけ試してみたら」ということになりテストしたところ、その効果に驚愕。すぐに取り入れ、これがきっかけで工場全体が一気に近代化に向かって走り出した。