【38回目】ロッカーの衛生管理

私服と作業衣の交差を防止する
ロッカーに入れるものとして、まずはコートの問題があるが、コートは外側が汚れているものだし、ボアが付いていれば抜けるので、異物混入要素の塊のようなものだ。ある工場では、玄関を入ってすぐの所にコート掛けがあり、奥までコートを着て入るのを禁止している。
また、くしが個人個人に用意されていて、更衣室に入る前に髪を溶かす工場もある(写真1)。これにより、抜けた(あるいは抜けかかった)毛髪をロッカーに持ち込むのを防止できる。
更衣室に入ったらロッカーに私服を入れ、扉を閉めてから、離れた場所に置いてある作業衣を装着すると、私服からのごみが作業衣に付着しない(写真2 )。作業衣は、毎日交換する工場(担当部署)なら、洗濯したものを棚に置いておくか、吊るしておく。複数日使うなら、作業終了後に作業衣を所定の場所に置いてから、ロッカーに行って私服を着て帰る。一人が上下二つのロッカーを使えるなら、下に私服、上に作業衣を入れるようにする。
また、曜日を決めて毎週ロッカー内を漏れなく拭き清掃する仕組みをつくるとよい。毛髪や外からのごみだけでなく、ほこリモ拭き取れて有効だ。

毎月ロッカーの交代をする
ある工場では毎月末がロッカー移動日となっていて、全員がロッカーを入れ替える。1年分の交代表があるので、管理しなくても従事者がお互い協力して移動し合う仕組みだ(写真3)。移動するときには当然清掃しないと苦情が出るので、自然にきれいになる。また、毎月となると余計なものは持ち込まないようになる。
ロッカーをフリーアドレスにする
プールや銭湯などでは鍵の付いている(空いている)ロッカーを使うが、同じ方式を工場のロッカーに取り入れると、汚れずいいつもきれいに保つことができる。余分なものを持ち込まないし、残しておくこともできない(写真4)。
フルタイムでなく、決まった時間(あるいは曜日)のみ仕事をするパートが多い工場では特に有効で、ロッカーの数以上のパートを雇うことができる。
なお、これからロッカーを購入する場合、番号キー方式なら鍵を工場内に持ち込まないようにもできる。
また、休憩用の着衣を用意している工場もある。休憩時は工場内作業衣を更衣室の所定の所に置き、休憩用着衣を着て、食堂やトイレに行くようにしている。

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