【47回目】製品情報の公開

衛生管理データの提供
いまやウェブサイトの活用が広報だけでなく企業の成長を支える時代だ。末端消費者への広報だけでなく、製品の品質や安全情報を、フードサービスや量販店など卸売先に伝える手段に利用すべきだ。
鮮魚を卸売するある西日本の企業では、早朝に競り市場などで購入した魚介類を半身や三枚おろしにし、午後にはホテルやレストランに供給している。他にも、大規模なパーティーの刺身の盛り合わせの注文を受けており、大きな売り上げになっている。この製品で重要なのは、鮮度のための一般的衛生管理と温度管理で、それが品質と価値を決める。よって、顧客に対し、あるいは新規顧客獲得のためには、実際の品質だけでなく、データも含めて納得・安心してもらう必要がある。
そこで、魚体を半身にした後、冷蔵庫に入れる前に表面温度を測定し、記録をタブレットで登録する。この温度をCCPにする方法もある。加えて、個人衛生のチェック、製造機器の拭き取り検査の結果、冷蔵配送車の温度などのデータを販売先でも見ることができるようにすることで、信用を得ることができる。公的機器のHACCP認証に加えて、実際の安全データを公開することで、販売活動に強力に生かすことができるのだ。
IPカメラによる監査対応
2014年、米国食材卸大手が食材の製造を委託した中国の工場で、消費期限切れの原材料使用や、床に落とした食材を拾って製造ラインに投入するといった不正が発覚し、購入先のフードサービスが大きな打撃を受けた。この例では、監査が入っていても、監査員が来ていないときに不正をするのだから、どうしようもない。
このようなことをなくすには、企業モラルのレベルから審査しなければならないが、不正対応だけでなく、逆に製造側が真面目に製造していることをアピールするためにも、IP(インターネット対応)カメラでの監視とクライアントへの公開が有効だ。IPカメラの動画を24時間、販売先企業が見ることができるようにするのは難しくない(図)。製造工場の安全環境を販売先に提供するのだ。

GAP管理の環境を公開
オーストラリアで鶏卵を生産するSunny Queen Farmsでは、農場のリアルタイム動画をウェブサイトのトップページで公開している(写真)。鶏を放し飼いする農場内の様子を、末端消費者でも見ることができる。この動画を公開し始めてから売り上げが数倍に伸びたという。GAP(農場衛生管理)を情報公開したことが大きな販売促進につながったわけだ。信用は売り上げにつながる。

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