【65回目】トレーサビリティシステム<3>産地情報からの流れを共有

ネギの例

写真1はフグの刺身などに使う高品質ネギのほ場だ。この写真はGPS(位置情報)機能をオンにしたスマートフォンで撮影した。写真のブラウザでこの写真のGPSインフォメーションを見ると、写真2のようになっている。

この中で重要なのは、秒単位の日時「10月28,2015 11:41:13」と緯度「N 33° 16′ 16.85″」、経度「E 129° 51’43.09″」 。緯度と経度をブラウザで検索すると、撮影した場所がピンポイントで表示された地図がすぐに出てくる(写真3)。

これに種子などの情報を入れたほ場の差し込みメモの写真(写真4)を追加すれば、産地情報がそろうし、一緒に生産者がVサインでもしている写真を入れれば、ヒューマンな産地情報がそろう。数分以内にこの3枚の写真を撮れば、同じ場所で撮った写真だと証明できる。

この後、このロットが工場内に入ったところで、コンテナに付けられたタグも入れて撮影する(写真5)。

そして、工場内の製造記録、監視カメラのデータ、必要あればやはりGPS機能をオンにしたスマホで撮影すれば、トレースができる(写真6)。

これら一連の流れは、スポットでつくろうとするなら偽装できるかもしれないが、常に連続してやっているなら偽装などできない。大変な手間がかかるからだ。これらのデータを産地・工場・ユーザー間で共有すれば、安心・信用につながる。
このネギ製品は産地からつながる六次産業になっていて、工場はISO/TS22002-1に対応している。2018年1月現在、トレース情報とHACCP導入型基準を構築中だ(参照:http://www.imari-gf.com/)。
サーモンの例
写真7はノルウェーの北海にあるサーモンの繁殖場で、ペン(柵)ごとに工場の製造計画に合わせて生産されている。写真のはるか遠方に陸が見えるが、そこに加工工場がある。

このペンごとに、時系列、餌、生産状況の経過調査(増体などのデータ)がコンピューターに記録され(写真8)、仕上がったペンのサーモンと一緒にこの情報が工場に送られる。ここにもスマホ撮影のGPSデータを活用すれば、よりビジュアルな情報になる。

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