【67回目】トレーサビリティシステム<5>製造工程のトレース記録

ロット製造製品のトレース記録
コンベヤオーブンやコンベヤフライヤーなど連続で調理する工程の場合、各製造機器や工程箇所に記録用紙を置いておけばよい。ところが、ロットで製造する場合は、各工程間のトレース(つながり)が記録上で追跡しにくい面がある。例えば、釜で製造するソースやジャム、スープといったものだ(写真1)。

こういった製造工程の場合のトレース記録の例として、1枚のシートに全ての製造工程の記録を並べて入れておき、製造の順に沿ってこの記録用紙が一緒に動いていく方法が挙げられる(図)。シートは製造途中で傷まないよう、ビニール製の書き込めるバインダーに入れる(写真2)。

全工程に担当者と時間を記入
まずは原材料保管庫に行き、レシピに沿って原材料をそろえる。そのとき、計量した原材料のロット番号または日付を入れておく(前号参照)。
この記録には、全工程の最後に担当者名と終了時間を入れるよううにする。そうすれば、ロットのトレース(追跡)がより精密にできる。この記録用紙は、計量した原材料を載せたコンテナと一緒に次の工程に動いていく。
次工程は調合で、原材料に規定量の水を入れる。この工程は蒸煮鍋の中で行う工場も多いだろう。その後、CCPとなる蒸煮工程に移る。ここでの温度計測と記録はそのままCCPの記録になる。こういった具合に進めていけば、その一つのロットの各工程での記録がそのままつながる。
正常に製造が終わらないと製品にならないという安全策
この方法では、製造が全て終わるまで、それぞれの記録がついて回る。もし途中で不備があれば(例えば、中間検査で位置が逸脱していたら)、そこで製造はストップする。ということで、全て正常に製造が終わりまで行かないとこの製品は製品にはならないため、確実な安全対策にもなる。
クレームが来た場合の対処
出荷先から問い合わせやクレームが来た場合、まずはロット番号を読んでもらい、内容の概略を聞く。その後、1枚にまとまっているそのロットの記録を、メールかFAXで顧客(出荷先)に送る。記録が先方に着くまでの間にその記録を確認すれば、製造の詳細が分かる。そして、顧客側と一緒にこの記録を確認することになる。このシステム実際に運用している工場では、以前は「顧客が冷蔵庫に入れ忘れた」といった顧客側の間違いも、クレームとして電話が来ていたが、システム運用後はそういったことはなくなった。

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