【70回目】ラベルの表示間違い防止

ラベルの確認方法
新聞の写真面に掲載されている回収広告の原因を分析すると、約半分は表示間違いだ。例えば消費者庁のリコール情報サイト(http://www.recall.go.jp/result/)を見ても、日付間違い、原材料の記述順間違い、記述漏れなど、製品に問題がなくても、ラベルの間違いで大量の製品が回収されているケースが半数に上るということになる。この表示間違いをなくす方法についてよく聞かれるので、いくつかの確認方法を紹介する。
●複数の人で確認する

現場の担当者、ラベル印刷者、梱包担当者、出荷担当者など、複数の人が確認する。確認者は定期的、あるいはランダムに変える。また、確認の順番を変えるなど、やり方も時々変更する。
●部外者を入れる
製造の人以外に、例えば事務所にいる別部署の従業員など、製造と関係ない第三者を入れると全く違う目で見るので、間違いを発見しやすい。原稿をを書いた自分だけでなく第三者にも確認してもらうと、誤字脱字や分かりにくい表現も見つかる。
●指差し呼称
確認者は黙って目で見て確認するのではなく、指を指して声を出して確認する。(公財)鉄道総合技術研究所の実験では、何もしないよりも指差し呼称をすると間違いが6分の1になるという結果が出ている(図)。指差し呼称はコストも時間もかからない。

●日付を合計して確認する
例えば、2019年4月15日なら、それぞれの数を単純に足すと22になる。これで確認する。これは、ある大手食品企業が日付間違いを起こしてしまった後に新たな確認方法の一つとして始めたもので、全く別の見方で確認できる。
●デジカメで撮影する
ラベルをデジタルカメラで接写して、その画像の方で確認する(写真)。直接ラベルを見ると確認とは違う見方ができる。画像はパソコンにしばらく保管しておく。

●機械を使っていても頼らない
確認のための機器があり、便利ではあるが、機械に全面的に頼らない方がよい。必ず人の目視確認を入れること。
●外箱に印鑑を押す
最終の箱詰めの際、個包装に付いているラベルと外箱の表示が一致しているかを確認するとき、確認者は外箱に自分の印鑑を押す。名前が入るので、しっかり見るようになる。
●「必ず間違えている」という視点
「間違えているわけがないが、一応見てみる」という視点だと、間違えていても発見できない。「間違えていない」と思い込んでいて、見えないのだ。交通輸送関係の事故でも、原因分析すると同様の原因があるものだ。そのため、長時間ラベルを確認し続けては駄目で、従事者を時々変える必要がある。

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