【54回目】リテールHACCP<4>日本での認証

リテールHACCPの認証
日本のHACCP義務化にはリテールも含まれる。ただ、工場とは違う形になるので、詳細が決まるにはまだ時間がかかるだろう。そのような中、リテールで認証を取得できる規格はISO22000になる。単独でもできるし、チェーンでもできる。
多店舗の場合のISO22000の審査は、審査する店舗の数は平方根のおおよその近似値で、数式だと「≒」や「√」となる。例えば100店舗でのルート解法なら10店舗を審査して判断する。50店舗ならおおよそ7なので、7店舗の審査となる。
チェーンでの構築では、店舗ごとにそれぞれ実施するのではスタッフの確保が負担になる。大型店なら可能だろうが、小型店の場合、センターでのコントロール管理にすれば、スタッフの負担が軽減するし、全店舗で均一の安全管理ができる。
センターコントロールでは、実施と検証の報告・記録をネット上で行えるようにするとよい。例えば、清掃・洗浄の実施チェックリストや、簡易拭き取り検査を店舗で行い、それをネット経由で報告・記録する。タブレットでのシステム構築や、メールフォームを使ったチエックリストやレポートは、パソコンやスマートフォンの扱いが少し分かる人なら作成できる。拭き取り検査をスワブ(綿棒)で行えば、簡単に低費用でできる(写真1)。報告・記録はGPSデータ入りのスマホで撮影して、メールすればよい。
また、店舗スタッフの力量管理もポイントになる。衛生管理の教育訓練を行い、力量を登録する。そして、「その力量を持ったスタッフが必ず店舗に1人はいなければならない」という管理をする。あるいは、スーパーバイザーがこの力量を持つようにする。

複合業態での認証
ある食肉関係の総合企業は、2工場、1店舗(小売店)、それに大型レストランを持っている。最初に二つの工場で統合したISO22000の認証を得た後、数年後に小売店もこの認証の中に統合した。現在は、次のステップとしてレストランも認証に入れるべく準備中だ。工場、店舗、レストランというそれぞれ違った業態を、一つのISO22000の認証に統合したわけだ(写真2・3)。別々に取得したら三つの認証の費用になってしまうのだが、こうするとまとめて一つになる。費用の点でも有利だが、安全管理も統一して行うことができる。

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